何もない島で何もしない贅沢

沖縄が大好きで今まで10回以上訪れています。その中でも特に思い出深い旅となった竹富島旅行について書きたいと思います。
私は小浜島一人旅で出会った沖縄大好き友達と竹富島へ行きました。目的は何もありません、ただ綺麗な海を眺め三線を聞きながらオリオンビールと泡盛を飲むこと。これだけを楽しみに私達は竹富島へ上陸しました。
宿は民宿を敢えて選びました。理由は夜のゆんたくです。ゆんたくとは、宿泊客と宿の主人であるおじいが一緒に夕飯を食べ、その流れでお酒を飲みながら語らう沖縄独特のサービスです。私はこれを経験したくてゆんたくが有名な民宿を選びました。
宿に着いたのは昼過ぎ、私達は宿にある無料の自転車を借りて島を一周しました。一周するのに30分もあれば十分ですが、途中土産物を見たり海でボーッとしたりして過ごしました。そして夜はお待ちかねのゆんたくです。おじいの三線に合わせて沖縄民謡をみんなで唄いました。泡盛も沢山飲みました。そして仲良くなったメンバーで二次会と称して居酒屋へ行きまた飲み直しました。
真夜中になってお店を出ると、家の灯りも外灯もない島なので星が信じられないくらいキラキラと輝いていました。みんなで桟橋まで行くと島のおじいが真っ暗な海でイカを釣っていました。温かく湿っぽい気温で汗ばんだ肌に海が運んだ夜風が心地よく、しばらくみんなで浜辺で夜空を見上げながら横になっていました。
竹富島では特に何をした訳ではありませんが、あの時見た暗くて穏やかな海や夜空に輝く星を未だに忘れることはありません。何もないからそれがいい、だから人を惹き付けるんだと思います。